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3/8:ハクション!ちくしょう!花粉症

2008/03/08(Sat)16:40

全国1000万人の花粉症の皆様、そろそろムズムズしてきましたね。私も2004年春に鮮烈に花粉症デビューし、そして参加数多いメンバーも同じ洗礼を受けます。10年で150回以上山に通ったのだから、各人花粉を多量に蓄積されて当然なわけであります。しかし肝心な活動ステージでの自然の仕打ちはあまりにも酷であります。



今年の花粉は「史上最高の飛散量」と、毎年言ってないか?という状況が繰り返されます。日本では戦後に建材として大量に杉を植林したそうで、昨今の需要減で木材として伐採されず、スギ花粉が飛び放題となっているようです。
杉植林は関東に多く、東京都も 「花粉症対策本部・花粉の少ない森づくり」対策に乗り出し、広葉樹・花粉少ない杉種に植え替えていくそうです。一体何年かかるのでしょう。1200m超級山系ならば杉は無いのですが、春過ぎまでピークは雪の世界。

今年は3月初めから、鼻がむずむず、目がかゆかったりしてやや症状が出てきてます。私は3年前から自己防衛をはじめていますが、病院処方の症状抑える抗ヒスタミン剤は眠気やのどの渇きが伴い依存症になるので、それは避けたい処方です。漢方有効処置もありますが高価であります。従って下記のような天然成分に含まれる効果を期待し補いかなり改善してきました。それらは飲み過ぎても害はないので安心です。肝要なのは山へ行く1週間前位から摂取することです。

【自身が試した有効製品】
◆ビワの種
ビワの種には血液サラサラ効果や殺菌効果の高いアミグダリン(ビタミンB17)が豊富に含まれており、アレルギーに即効性があり花粉症防止に効果がある。そしてさらに免疫力を高める効能もある。いったん症状がでても服用すれば比較的早く、症状が緩和される。日によって花粉の飛ぶ量が違うので、効果が薄いと感じたら多めに服用。 ◇取扱会社→【枇杷の夢】

◆梅肉エキス
酸性食品の多い現代人の食生活を中和して血液を健康な弱アルカリ性に保つ。花粉症は免疫力機構が異常に反応して起こるものと考えらる。梅肉エキスにはマクロファージを活性化させ、免疫力が正常に働かせる効果がある。そして食べた物の消化吸収を助けて体質改善にも効果を示す。 ◇取扱会社→【DHC】

ただ花粉を避けることだけが症状防止にはなりません。きちんと自己防衛してこそ、輝ける山岳自転車族。どうか現地に行く前に有効手段でガードしてください。



補足資料を以下に列記しておきます。
【他に有効といわれる食品】
◆紫蘇(シソ)
β-カロチンが多量に含まれ、体内でビタミンAに変化し殺菌や防腐・免疫力を高める。アレルギー抑制や症状の緩和作用がある。そして黄色色素ルテオリンという成分が、また種子油にはαリノレン酸が含まれ、花粉症の鼻水や鼻づまり、くしゃみ症状を緩和する。
◆西洋フキ
バターバーと呼ばれるフキ種で、ドイツでは昔からメディカルハーブとして使われる。症患者を対象にした試験では抗ヒスタミン剤と同等の効果
が実証された。この地下茎にはペタシンという物質が含まれ、炎症を抑え鼻づまり、かゆみなどを鎮める。
◆バラの花
野生種のバラ花びらを加熱抽出したエキスには、オイゲニイン(ポリフェノールの一種)など、複数の有効成分が含まれる。それらが複合的に作用し、花粉症やアレルギー性鼻炎に伴う様々な症状を緩和。花粉症のほかアトピー性皮膚炎にも効果的。
◆ケール
青汁原料として知られるケールには糖脂質/フラボノール配糖体が含まれる。これらがアレルギー症状を改善。体内に取り込んだ花粉を排泄するには、免疫機能が集中する腸内環境を整えることが大切。成分にはビタミンや鉄分の他、繊維質も豊富に含まれる。
◆ネトル
西洋イラクサとも呼ばれ、ビタミン・ミネラルが豊富なため、ヨーロッパでは滋養強壮のハーブとして重用される。含まれるケルセチンという成分が花粉症の症状を抑えるほか、デトックス効果・血液浄化の効果もあるため、体質改善にも効果的。
◆ヨーグルト・乳酸菌
腸は食べ物を消化・吸収するだけでなく、体内の30%もの免疫細胞が集まる生態防御の最前線。この免疫細胞を直接活性化し、アレルギーを制御する抗体を増やします。乳酸菌を腸まで生きたまま届け、腸壁に定着させることができる。

[花粉症の仕組]
花粉を繰り返し吸い込むと、体内ではこの侵入者と戦うため、リンパ球(白血球の一種)によってIgE抗体が作りだされます。この抗体が肥満細胞という細胞の表面にくっつくことによりアレルギ−の準備状態が完成。そして、この状態で花粉(抗原)を吸い込むと、花粉がIgE抗体とくっつき抗原抗体反応が起こる。肥満細胞からはヒスタミンやロイコトリエンといった化学物質が放出され、血管や神経に作用し、鼻水、くしゃみ、鼻づまりが起こる。花粉症は花粉を排除し身を守ろうとする一種の防御反応である。
[花粉症要因]
◆地球温暖化で花粉の飛散量が増えた。
◆自動車などの排ガスが抗体を作りやすくしている。
◆食生活の変化でアレルギー体質の人が増えた。
[医療統計]
使われる医療費は1998年の調査では有病率10%とした場合の年間医療費が2860億円、労働損失が年間650億円と推定された。なお患者が花粉症対策に用いる費用は医療業では俗に花粉症特需といわれ1シーズン639億円になる。

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3/6:北欧自転車モダニズム

2008/03/07(Fri)01:40



ヨーロッパの自転車というとどうもサイクルスポーツが盛んなフランス・イタリア情報しか入ってきません。しかし以北の北欧産は堅実で粋なスタイルの自転車が結構有ります。私も5年前北欧自動車メーカー業務を担当するまでは、当地の文化も知りませんでした。
デンマークなどは自転車メーカーが8社もあります。当地の北欧人は背が高いので大衆車もサドルとハンドルの高さが同じ位。そしてほとんどブレーキがついていません。あっても足でのコースタータイプだけです。なのでケーブルもなくスッキリ見えるのです。



私は古い自転車も好きで、特にトラックレーサーが素晴らしい。しかし現在では北欧の会社ではスポーツサイクルを盛んに製造しておらず、そして望む年代物は日本では売っていません。ピストの先祖にあたるものですが、その風格ある存在感にはため息が出るほどです。ここではそんな1940〜60年物をご覧ください。


























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3/4:自転車再生の卓越・バイシクルファニチャー

2008/03/05(Wed)00:43



先月末の「2/27:自転車流通の矛盾と罠」記事から物思い、国内の保有・廃棄のデータを調べてみました。
国内保有台数は6,600万台=人口1.8人に1台。中国:49000万台/アメリカ:1億2000万台に次いで世界で3番目。年間供給台数は1,000万台を超え、その2/3は輸入品。昨今製品価格が下落したため放置車が増え撤去台数は年260万台。そのうち111万台は引取り手なく廃棄処分されています。供給分の10%=16650トン以上の粗大ゴミが毎年出てしまうのです。
個人が安易に遺棄すればそれは山となり、各自治体は膨大コストをかけ処分しなければなりません。エネルギー産業・製造産業で生産効率を上げたこの日本なのに、隠れた所で凄く非効率な事態を招いているようです。



そんな私自身も乗らなくなったフレームなど家具等に再生できたらと思ってはいました。そしてその再生品を調べたら、チェーンアクセサリー等はあるのですが、より実用的なアイテムを追って探して、そして見つけました。アメリカ・ミシガンBike Furniture Designです。
ここのラインナップは50'sと未来的が融合したような洗練デザインで、精度の高い仕事をされています。手間が掛かる工程でしょうが、自転車店の方が溶接ができれば可能なのではと思えます。私は学生時分に工学授業でアーク溶接講習を受けました。が、作業場・設備がありません。なのでこのプロダクトを夢に見ようと思います。

Bike Furniture Design















→【Bike Furniture Design】
創業者Mr.Andy Gregg愛車コレクションも味があります。根っから自転車を愛してるんですねぇ。
→【Andy Gregg Influences Bikes】


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3/2:自転車が駆ける映画BEST

2008/03/02(Sun)03:40

これまで見たことのある自転車乗りのシーンが
印象深い映画をベストセレクトします。

Nuovo Cinema Paradiso
ニュー ・シネマ ・パラダイス:邦題 (1989/伊)
映画館主が少年を乗せ自転車を漕ぐ姿が印象深く、日本でのポスターはこのシーンが使われました。


Butch Cassidy and the Sundance Kid
明日に向って撃て !:邦題(1969/米)
B.Jトーマスの歌が相応しく清々しいイメージビデオのよう。ポールさんのアクションは素晴らしい。


Breaking away
ヤング・ゼネレーション:邦題 (1979/米)
偶然通るトラックが前方風よけしてくれます。ドライバーが出す4本指は40マイルで走ってるよっ、てこと。



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2/29:我々自転車乗りの使命とは

2008/02/29(Fri)15:25

弊記事「2/27:自転車流通の矛盾と罠」についてコメント方含め愛好者方との意見交換が貯まり、思いのほか貴重な熱き意見・体験談を頂いたので、ぜひ自転車選びの健全化のため、ビギナー/キャリア愛好者方問わず見て頂きたく再編集掲載いたします。


△安全品質の上に自転車乗りに福来たる(弊グループ)

「僕も無知な自転車乗りでした」
ルック車を買う人は大抵まわりに相談する人が居ない人ですね。僕も2年前独断でカッコだけで決めて買いました。機能の研究をするうち半年でなんか嫌になりました。我ながら寂しい気持ちになりました。
gogomt

「選択の代償は必ず我に還るなり」
gogomtさんへ:
街角で重そうなルック車のギヤをギシギシ鳴らして駆ける人を見ると、気をつけて乗ってねぇ...。と思いながら不安を覚えます。1%の正規車に乗る人に出くわす確率の方が少なくなった気がします。
mtrmasa

「無題」
そうですね。皆が安全に遊べる物がいいのに、聞いてみると「2万ぐらいで」とかせいぜい「5万ぐらいで」とか・・・ 確かに、そのぐらいの価格で似たような物はあると思いますけど?
実際、山遊びに一緒に行きたくないですね。 トラブルに対処できないから?互換性のある物、ましてや起こりうるトラブルの方向性が予測できるのと出来ないのとでは違います。せめて、10万~15万ぐらいは考えて欲しいですね。 そして、シチュエーションによっては20~30万は初期投資して必要で、さらにアップグレードを考えると...。道具を使うスポーツ、遊びだから...。でも壊れなければ相当長い期間大丈夫です! そのための初期投資を是非!
huckysack

「メーカーよMTBユーザーを守れ」
huckysackさんへ:
自動車・家電・カメラなどの分野はこれまでマーケットの品質要求によって成長発展してきたのに、自転車分野はおざなりなようで悔しい限りです。気軽に乗れるものだから日常の足とホビースポーツとの境界が曖昧であるのも法規制がしき難いことでしょう。
本来ならマーケットが荒らされているのだから、純然たる正規車を扱う業種が対抗処置をやるべきと思います。しかし彼らはロードやクロス車がバカ売れしているので、MTB需要を重視できない状況なのでしょう。
mtrmasa

「MTBだけの問題ではありませんね」
初めてコメントさせていただきます。
この問題はMTBだけのものではなく、最近「ブーム」と持て囃されているロードレーサーでも同じ事が言えます。「ロードレーサー・ルック」の自転車が大量に走り回っています。
>そうして人々が良いものを長く大事に使う意識を高めて
>もらえればと願うのです。そうなれば防犯意識も高まり、
>粗悪な物が流通するのも防げます。
こうした意識向上が本当に必要な事だと実感しています。
Go-T

「知識とモラルの向上いかに成せるか」
Go-T さんへ:
ロード/クロスバイクはパッと見たフレームスケルトンが似通っていますから、 知識の無い人は区別がつきにくいはずです。またクロスバイク購入層は初心者が多く、また無地タイプが流行なので、質感の違いが分かりづらく、素材がクロモリでもハイテンでも同じ鉄でしょ?くらいにしか思えないでしょう。(高品質で丁寧な塗装グラフィックならば素材も同じて優秀である)
トレイルでは自爆転倒が主ですが、舗装路ではさらにスピードが出せ、車や歩行者などが接触対象になり、エゴイズムも目立つので同時にオーナーのモラルも問われていきますね。Go-Tさんもどうか安全に乗られますよう。
mtrmasa


△安心して自転車生活が送れるよう(弊グループ)

「すごい進化のルック車」
以前よりルック車については、自分でもどうなのかなぁ~と思っていました。最近、街で良く見かけます。
品質問題について、非常に興味あります。実際に里山などを走るとどの程度で壊れるのでしょうか。
MTBを初めて乗る人のきっかけ作りとなれば良いのですが、大抵は半年程度で錆が出てしまい3年以内で粗大ゴミになる運命でしょうか。
やはり、買ってしまった人の中には本格的に始めようと思っている人もいると思うので、我々のような経験者ができるだけアドバイスできる環境があるといいですね。 mtrmasaさんのブログは大変勉強になりますので、もっと広く知られるといいなぁと思っています。
ペックル

「自転車愛好者の使命とは」
ペックルさんへ: グレード別の趣味性がある物は無数にあれど、自転車は命を乗せるものなので、厳格な品質要求はかくしてあるべきです。ときより空地にひん曲った自転車を見るたび「どれくらい走ってこうなった?」などと悲壮に思います。
先だっての「渋谷自転車事件」は加害者モラルの問題でしたが、不良品の機能劣化で起きる事故も今後ありうると危惧します。購入予定者とキャリアあるはずの自分達の接点がないのも困りものですが「俺はメカに詳しく、気を付けているから大丈夫」という奢りだけでは後進は育ちません。Blogに楽しみを公開するだけでなく、関わる問題も書くべきと思いました。山道の倒木をどかすより簡単でしょう。多くの自転車ブロガー方が同様に提議すれば世論にも届くでしょうに。
mtrmasa

「ルック車と正規車」
要望があったので初めてコメント書かせてもらいます。 稚拙な文だとは思いますが、どうかこれを読んで考えが改まってくれると幸いです。
まず、写真のルック車には驚きました。私が本格的にMTBに嵌る前の作りのものとは段違いです。 それなりに品質も向上しているのでしょう。 特に写真の上2つは洒落になってません。これは初心者には解らないでしょうし、ツーリングに「同行した」人もわからないかもしれませんね。 しかし危険度は高いです。
廉価自転車が増え、品質確保のためにようやくBAAマークが表示されてきたのに、ルック車には未だその流れはありません。 メンテナンスをしていない自転車はルック、正規共に危険ですが、ルックは「メンテしづらい」ものです。それにルックを買う側も「わからない」人が大半ですから。

カッコは必要です。所有して飽きない為に。でもカッコで走れるほど、安全は安くありません。 ルックでも正規でも、安全は自分に向け、他者に向けて成立するものです。片方が少しでも抜け落ちてると、もう片方も著しく落ちます。 自転車=足と言うのも解ります。しかし、自転車はスポーツでもあり、凶器にもなります。軽車両扱いですから。 車を買うのに名前も知らないようなメーカーの車は買わないでしょう?安全のために少々高くても日本車を買うでしょう?
自転車も同じです。ヘルメットを2回割った自分だから言えます。 剛性が足らずにホイールが曲がり大転倒をした自分だから言えます。 安全を真剣に考えないと、たかが自転車と言えど、死ぬことも有りますし、殺すことも有ります。逆に死なせることも有りますし、殺されることも有ります。 想像してみてください。 街中を走っていて、フォークがいきなり折れて、車道側に転んで、目の前に車が迫ってきている状況を。
ブレーキが壊れて、目の前に通行人がいて、避けられずに止まれずに迫ってくる状況を。 安全を考えてもらえば、どういうものを買うのがいいか、わかるはずです。 安全を満たす為には、自分自身が少しでも知らなければならないことを知るはずです。 皆さんが安全に自転車ライフを楽しめるよう、願っています。
あ、ここから堅苦しい話は置いといて。
自分がルック車を乗ってたときの状況を簡単にw
1ヶ月でタイヤ劣化w 10箇所同時パンクw
腐食はしても錆びるはずの無いアルミから錆びw
チェーンは切れるし、サスはすでに固まって動かないしw
重量きっと20kgくらい有ったな。
3万円もして半年持たなかったw いくら物が
良くなってようが、ルック車は触る気になれません(笑)
伸弥

「貴殿の痛み無駄にならぬよう」
伸弥さんへ: 痛い体験談のあるそんな伸弥さんなら分かるでしょうが、昔ルック車から正規車に乗換えた人の話を当人から聞きました。
走りながら変速し制動するのも嬉しかったと。路面状態と車体挙動が直に生身に伝わるわけですから、その差は歴然だったのでしょう。それは革命的だったといいます。 また山で滑落した時には車体はびくともしなかったと。車両の信頼性が身に染みたという話でした。手荒に扱うMTBではその丈夫さを体感できますね。
私は10代にオートバイライダーでしたが、若気の至りで調子に乗ったビギナー事故率はすこぶる高いのです。もっと早くカッコ良く曲がる。このような性能試しは必然にエスカレートします。自転車だって同様なのです。
オーナーが粗悪車を過失で壊したとしても「1万円だったからもういいや」と諦める人も多いのではと思います。しかしそれが機能欠陥だったとしたら被害者になり泣き寝入りということになります。
事故統計から外れた未報告事故は必ず存在します。そこが粗悪品扱業者の免罪領域なわけです。国内の故障放置自転車が集められそれを素材として大陸に運ばれ、また変な自転車が輸入されるという悪循環が蔓延しておるのであります。
mtrmasa


△自転車乗りの笑顔たやさぬよう(弊グループ)

このように自転車愛好家の方々が粗悪自転車について、日々思い憂鬱な感情が共通なのだとことを知り、自身も書きつけた甲斐がありました。お声頂いた皆様ありがとうございました。
[この記事を見られた自転車ブロガー方々へ]:
これからスポーツサイクルユーザーになる方々のため、本記事が体験者の声として選択の知恵になるよう願う次第です。本内容をご自由に転載・リンクしても構いません。よろしくお願いします。


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2/27:自転車流通の矛盾と罠

2008/02/27(Wed)13:47

先日掲載の【2/22:自転車・大東亜共栄圏】内容について、ブロガー方・Mtbrフォーラムメンバー方と問答をしたので、あらためて廉価製品の品質・管理に関わる討議を要約します。

アジア経済成長において、生産消費財は薄利多売・品質低下の傾向にあり、靴や傘など修理せずに捨てるこのご時世。廉価婦人車ももはや同然です。YahooオークションMTB掲載車は知らぬ間にルック車に占領されてしまい、私達が大事にするスポーツサイクルにも低品質の余波傾向があると怪訝に思います。
さて以下写真モデルをどう見られますか?軽量ホイル?エアサス?ウェーブローター!スタイリュシュだなぁと思います。







しかしこれは全て2万円以下のルック車です。一昔前と値段変わらず機能・デザインは進化しています。これらはマーケット需要を反映しているのでしょうが、はたして品質も向上しているのでしょうか。パッと見はカッコ良くなりこれなら山にも行けるかと錯覚するユーザーが必ずいることでしょう。
そんなルック車購入者がすぐ壊れてしまう自転車に対し「MTBなんてつまらないじゃない」などと誤解されてしまうことがあれば、キャリアある正統なサイクリストも残念に思い、彼らにダメージを与えます。
【トラブルケース】
「3年ほど乗ったルック車で交差点を曲がる時突然フレームが飴のように曲がり車道に投げ出された事がある」
「知り合いがWサスのルック車乗ってたが、半年で前後サスがバラバラになった」
こんなアクシデントは本体だけに問題があるだけでなく、それを取巻く環境・法律に問題があります。昨今食品業では生産国問題がやり玉にされますが、そんな物でも売れるから作るのであります。バレなきゃいいさの風潮は食品だけではないでしょう。
ルック車を国内流通させている代理店は自動車ブランド等の商標ライセンスを買って、○ャガー/○ボレーなどステッカーを張るだけで消費者の関心をかう業者もあります。これが悪ではありませんが「山で乗るな」と記すだけで、はたして量販店を通じ顧客に限定的機能説明を徹底しているのでしょうか。

国内では年間自転車事故で1000名も亡くなっており、40km以上速度が出る乗り物なのに検査・整備もされないのはおかしいですね。同じ2輪のオートバイはルック車などありえないのですから矛盾を感じます。
粗悪自転車を流通させない法規制があり厳格であれば、生産側も高品質への努力をせざるを得ません。あらたな法規制で検査登録されない自転車に乗るのは違法にしないと無駄な廃棄物が増えるだけです。まともな法整備を怠る役人と、それに甘んじる民間業者がいる限りその矛盾は解消されないのでしょう。

国内で10万円以上のスポーツサイクル所有者は自転車人口の1%しかいません。その中の自分達が出来ることは身近な購入予定者へ目的に合った適切なアドバイスをすることだと考えます。
そうして人々が良いものを長く大事に使う意識を高めてもらえればと願うのです。そうなれば防犯意識も高まり、粗悪な物が流通するのも防げます。そんな健全な自転車生活をおくる人々に多く出会えれば、自分達もこの嗜みを喜んで続けていけることでしょう。


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2/22:自転車・大東亜共栄圏

2008/02/22(Fri)17:55



◆アジア自転車乗り事情
アジアというと自転車人口が多いとイメージします。しかしそれは平地が広い中国本土が主となります。以前職場フロアにいた中国人スタッフに聞いた話ですが、特に首都北京市内にはオートバイは進入できないのでいまだに自転車天国。しかし古い自転車のほとんどがブレーキが利かないので、彼らは飛び降りて制動するのだそうです。路肩にはたいてい専用レーンがありゆうに走れますが、時より路肩走行車が後ろでクラクションを鳴らしても、彼らは絶対車に道を譲りません。


△上海街頭

△北京露地店舗

それと対照に近隣香港では自転車に乗れない人が圧倒的多数です。5年前に香港で出会った街のメッセンジャー氏に聞くと彼らさえもオートバイを併用すると言います。平地が少なく坂が多いいことが原因といいます。同じ理由で韓国・ソウルも自転車人口が少なく、需要がないのでママチャリの類は存在しません。
一大自転車生産国の台湾は街頭に高級スポーツ車は見られず、また廉価自転車よりスクーターが多く占めているようです。東南アジアでは商用の三輪自転車が多く見られます。その西方インドでは主流ホイルサイズが28インチだそうで多段ギアはないといいます。
一様にいえるのは、これからの発展国では自転車はまだ日常の交通手段で、サイクルスポーツが活性するステージには至っていないようです。

△台湾交差点

△マレーシア街頭

◆産業共生の形成
そして自転車製造の領域になりますと、極東アジアの中国・台湾・日本が生産連携トライアングルを形成しています。大衆車・スポーツ車廉価版は中国本土生産に移転し、台湾からは生産技術に関わる人たちが100万人(製造業全般)も本土に渡り従事しているそうです。台湾の2004年までの対中投資は日本を越えており、いち早く産業連携に乗り出していました。それには本来の言語・文化の共通性があるから成り立ったビジネスであります。源泉技術+パーツ供給は日本から台湾へ。大量生産技術は台湾から中国へ。こういった循環から世界の自転車需要に応じているのです。
日本の源泉技術とは製品規格にハイテク素材とその加工技術・製造機械をいいます。カーボン素材のほとんどが東レ製で、コンポメーカー・シマノの世界一の顧客は台湾ジャイアントになります。このような連携が容易だった背景にはコンポ世界規格を作ったシマノの業績が非常に大きいのです。
自転車製品とは各パーツが高度規格化されている「モジュラー生産」なのでフレームもパーツの一種のとして捉えます。製造機械も同規格なわけですから社別カスタムメイドは不要なので、無駄なコストがかかりません。それに対してメーカーごとにパーツ規格が異なる製法が自動車等の「インテグラル生産」。トヨタのシャーシには同国の日産ボディでさえも組合せができないのです。
そうして日本は高利益率の源泉技術を提供し、また高付加価値商品のパイロットライン(試作品製造)のみ残し本格的生産は海外へ。という産業構造に転換しました。


◆経営掌握と主導権遷移
いまや欧米ブランド車のほとんどが極東アジア製になり、経営自体も中華資本になっていきます。GT/SCHWINN/MONGOOSEはパシフィック社所有(親会社:カナダ玩具会社Dorel)。それに加え一時倒産危機にあったCannondaleは再建投資家所有でしたが、投資目的を達し昨月にパ社へ売却して利益確定としたようです。自国ブランド庇護より利益優先というのがアメリカビジネスなのでしょう。
そして世界初の量産MTBを作ったスペシャライズドは製造委託未払い金が払えず、そのOEM受託メリダ社に49%の株を譲渡し経営権を失いました。
なのでアメリカに設計+大量生産できる会社はもう無いのです。独自経営しているのはメジャーではTREKグループだけです。しかしそこも最近提携先NIKEと別れ、ブランド力を発揮できなくなる危惧もあります。
残る少量生産社は年間1万台に満たないフレームだけを作っていることになります。それでも設計をやっているならマシな方で、製造は丸投げというケースが通常です。なので米各社はそのブランドロイヤリティを得るためだけの商社ブローカーと化してしましました。知的所有権だけを保持し、生産を手放したら綿密なR&D(研究から製造へ)ノウハウも放棄していくことになります。ブランド信用失墜となることがあれば後がないということです。
私達日本ユーザーの利益はG8国家のうち地の利を活かし、どこよりも安く早くアジア製品を得ることができること。フレームなど根幹パーツもブランド神話に固執しなくても、製造元がしっかりしていれば品質は安定しています。購入時にどの会社で製造されたか「捷安特=ジャイアント/美利達=メリダなど」段ボールに明記しています。ですから高品質製品をきちんと見極めるのも、これからのユーザーの責任になってくると思います。


こうして自転車産業の大東亜共栄は進展し、世界的再編成はほぼ完結しているのでありました。
私から願う真の共栄とはどの国の人々もスポーツライフとして自転車を使えるように豊かになることです。同アジアの人々に着実に頑張って頂きたいと思う次第です。

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