1/19:【森の賢者・フクロウ】の心を知る。
2014/01/19(Sun)00:00
3年前の或る夏の日、奥多摩・赤指尾根でのMTB押上げ中に巣から転落したひな鳥を保護した。そして間もなく仰ぐ木々を騒がしく飛びかう親鳥も発見。母の心配に応えるよう傍らの切り株にここぞと子を置いた。後日に鳥種を調べてみたらコノハズクというフクロウ目の仲間だった。大まかな分類としては猛禽類なのだがワシ・タカとは目科が違いむしろスズメ目に近いとされる。森林に佇み考え込むような風格から「森の賢者」「森の哲学者」などとして親しまれる鳥種なのだ。
他の鳥と違い正面に目を持つが、それでは野生としては必要な視界が狭くなる分だけ代わりに頭を真後にまた上下返したり転回できるのである。そのフクロウだけがする大きく頭を傾けるポーズは彼らの好奇心を現すチャームポイントに感じる。
その同時期にCyclechatというBBSにて鳥愛好家のAdam.Nさんという方が掲載したMTB+フクロウ写真に妙に魅せられた。その訪問者は時折ベランダに来ては部屋の中を伺うそうで、人をこわがらず好奇心が旺盛な鳥だと評価していた。彼がフクロウに興味が有るなら鳥類研究家ステイシー・オブライエンさんの ▶[Wesley the Owl/邦題:フクロウからのプロポーズ] という本がためになると勧めてくれる。後日に日本語訳版ペーパーバックを探し求めた。著者がフクロウのウェズリーと19年間過ごし、その[秘められた知能・賢明さ・奉仕の態度]をつづる出来事の連続に見入ったものである。
▲Mss.Stacey & Mr.Wesley
フクロウ夫婦は相方が亡くなると一方も後追い死する位に相愛らしい。著者のまつ毛をクチバシで摘みまぶたを開いて朝起こしたり、取りわけ屋外で捕獲したネズミなどくわえ差し出すのだが、それを気遣い著者はいつも食べるふりをしたらしい。その情の深さは相手が人でさえ類の分け隔てがなく一途なのだという。似た話は南アフリカでの ▶[ケガから救ったフクロウの恩返し]でも見ることが出来た。ケガが回復したフクロウは早速狩りに出かけ家族のペットにまでにもネズミやヘビを勧め奉仕しているのだと。寝つく主人に評価されようと押し付けたり、それほどまでに良くやるものと顕示欲満々なのである。感情をあらわに示す行動は物語にし易くまた微笑ましくあるものだ。
ウェズリー19年間の記録は一層フクロウへの関心が深まるものであった。かつて私自身は数々のペットの中で4羽程インコを飼っていた。愛嬌は一流だったが主人への奉仕まではしなかった。そして昨年辺りから巷ではフクロウカフェが出現しており気になるところ。猛禽全般なら2年前に吉祥寺のはずれジブリ通り南にある▶[鷹匠茶屋](三鷹市下連雀1-11-8)という喫茶店に試しに入ったことがある。常連さんが愛鳥トンビを紹介してくれて、猛禽類は懐くと情が深く相互信頼が厚いのだと申される。フクロウオーナーも連れて来るよと言っていた。昔は猛禽類はペット店においても扱いが無かったらしい。実際に飼うにも給餌が小動物・昆虫であるから面倒もかかるだろう。
フクロウの生態は羽音をたてず獲物に飛び掛かることから「森の忍者」とも称されることもあるらしく、だからこそ知名度がある割には人目に触れる機会は少ないものだ。原生林ならまだしも里寄りの彼らが住まぬ処は自然環境が衰弱しているところであろう。昨今の首都圏山系では針葉樹伐採が盛んだが野鳥の住処も追われているかも知れない。
またこの度におよび興味が蘇り写真・動画を探し求めたが、フクロウは鳥種の中で唯一横向きの絵画・写真描写がされない種類だなと気づいた。胸を張り正面撮りが多いため威風堂々として見える種だと感じられたのだ。彼らの愛嬌のある表情は豊かな感情を示すものだ。下記編集ムービーでの特選・飼い主の歌に合わせるダンサー君にご注目あれ。
山林を駆ける我らMTB族なら遭遇機会はきっとあるはず。ただ私達が気付かないだけなんだろう。好奇心旺盛の彼らは興味深く我らを見つめているかも知れない。振り返り木々を仰ぐ時、また「森の賢者・フクロウ」に会えますように。
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