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▲HOME MTB山紀行と私的散策記。

6/23:中華カーボンMTBフレーム進化研究

2012/06/23(Sat)05:08








▲アメリカユーザーのChina Carbonカスタムモデル

3年位前よりローディ方々から話題になり購入者増殖して来た中華カーボンフレームなのだが、元来は製造業者がebayやAlibaba経由でUSA向けにセールスを目論むものだったという。そしてブランド信奉の厚かったはずの日本人だが、メジャー銘柄極似フレームが格安購入できることに飛びついた状況なのだった。
のちに2010年10月Itarian Cycling誌がDE ROSA R848モデルは台湾XPACE社で生産されるFM-R848と同型と決定的報道があったのだ。それからは正規OEM製品同等モデルが広く認識され、また販売品目ごとのオタク的真贋情報により堅実ユーザーも巻込み購買心に一層拍車をかけたようだ。

▲DE ROSA R848            ▲XPACE FM-R848

そして我々マウンテンバイク族に供給されるカーボンモデルは市場に出まわる機種が少なく、上記のような情報にも疎かったと思われる。なので国内人柱的ユーザーも多くない。かたやメイン市場アメリカでは先駆者が啓蒙するレベルは通り越し、かなりのユーザー存在がMtbr.com ForumのChinese Carbonカテゴリーで見受けられた。アメリカ人の購買行動は「人柱」という犠牲心でなく「挑戦者」的な直感的行動に感じ取れた。各購入経緯情報で剛性・安全性を担保できそうな信頼度の高い中国業者もわかるようになった。

購入する上のリスクは優良業者選択にかかるが、カーボンファイバーの性能をよく理解せずハイテクマテリアルなだけで満悦する人もいる。▶カーボンクラッシュBlogのBusted Carbonを見渡すと流通対比ではロードシェアが高くその構造的繊細さから破損率も高い。カーボンチューブ破砕断面は可塑性材+非可塑性材を組合せた鉄筋コンクリート断面によく似ている。MTB機種では耐久性重視で壊れ方も違うと分かるもの。素材の特性を見極めリスクを理解する事も導入する上での知恵と心得たい。


▲XC-World Champion:Mr.Victor Koretzky

中華系MTBモデル選考上の信頼性が判断できる朗報は昨年9月に報じられる。スイスでの▶【XC-World Championshipジュニアクラス】ではフランスVictor Koretzky選手がAdrisport XC Stark 29=(China Hongfu HF-FM056)というマシンで優勝したのだった。中華系機材がチャンピオンモデルになったことで高機能+安全性を証明して見せたのである。そんなブランドOEM先価格に対して製造元売価格は1/3でしかない。これではブランド物購買心は断たれるものである。


▲Adrisport XC Stark 29

この優勝モデル情報をもとにebay/Alibabaサイトを見渡し同形状を探ると、ブランドモデルと同等また極似機種も分かって来た。よく分析すると品種デザインはそう多くはなく、チューブ上のグラフィックを変え多様流通経路へ卸している様に見えるのだ。自分なりの比較判断で上記のAdrisportモデルから探し、Niner/BeOne/SCOTT/CORRATEC/PZ RACINGなどに相当する製品も見分けていけた。細部精度が高いものでブランド物完全一致した物を下記に捜索列挙してみた。(品種名・価格のキャプションクリックで各企業HPへ)

Adrisport XC Stark 29(1290€=130,326円)

Hongfu HF-FM056($600=48,264円)


Niner Air 9 RDO Frame (239,400円)

Carbonal 29ER GAEA Carbon Frame($379.00→30,448円)

ブランド機種が正規価格の1/5以下で中華製造元から販売出来るという事は、現地生産コストが抑えられているからだが、欧米ブランドの付加価値が高いぶん知的財産+商標所持業+仲介業種のマージン率は相当に高いと想像できるもの。中華圏製造ではOEM需要が主であるが、それはかつての日本製造から台湾へ遷移して行った轍を踏んでいっている。

自身の第1号RITCHEY P22(1992年型)は東洋フレーム製・日本産でだったが、ほぼ同形のKHS-PシリーズのOEM機もあったのだ。第2号GT Avalancheは台湾製で上位ZASKERはこれも東洋フレーム製だった。グレード別による作り分けなども含め、中華圏もそういった民国→人民共和国へと生産国移行過渡期なのだろう。台湾側がデザイン・設計をして、そこから地の利が良い対岸の福建省 廈門市(アモイ)湖里区に集中している生産拠点で製造していくという。

その産業構造は既定通りだろうが、中華カーボンとして流通している製品の内訳は台湾側社の技術指導+製造依頼で中国側下請社は正規品を作るのだが、非正規品も作って売るよ。というのが実情かも知れない。そんな製造販売業者の言い分は「ブランドモデルに良く似た風でも、部分的な形状が違う」といいわけをし、ライセンス抵触しないようジオメトリをやや変更しているのだそうだ。

BeOne CRD29 Competition 29er Hardtail 2012 (完成車:$3,010)

Carbonal 29ER GAEA Carbon Frame($379.00→30,448円)

そこで素材別の市場動向を比較してみた。コスト的に安価なクロモリ鋼は108円/kg位である。チュービングでのバテッド加工など高度技術も活かされるだろうが、どう手間を重ねれば素材2kgの500倍も値付けをされるか不明の10万円以上のフレームも多々ある。この分類の素材進化はニオブヒートトリーテッドスチール位しかわからない。この東洋フレーム開発素材はバテッド加工での厚みを薄くすることが可能だそうだが、添加物が変わるので大分類のスチール進化でしかない。

そしてアルミニウムは地金国際相場がこの2年で2倍近くに跳ね上がっている。1円玉を例にとると原価80銭で作れたのは2009年までで、個体価値は単純計算で1円50銭に迫り原価割れになっている。なので現在1円では1円玉を作れないのである。7000番はともかく6000番アルミフレーム製造はかなり割高になり利益率が減る傾向である。機能に優れても採用モデルが減ったのではないかと思う。

カーボンファイバーは生産供給が安定しており、10年以内の技術進化で繊維方向の引っ張り強度がT20からT40と倍の強さになっている。加工高効率化もされた現在は加工業者競合も増え、販売競争過多で製品価額も高くできないのだと思われる。ebay・Alibabaマーケットを見回してもクロモリ+アルミフレームをたした以上にカーボンカテゴリー流通数量が勝っている。

Fuji SLM 1.0 frame(178,500円)

GOTOBIKE MTB753(Open Price)

中国本土の業者は欧米社のようなブランドパワー(市場に信用された歴史)は持たないので、クルマ業界でもVOLVO/HUMMERなどの[欧米ブランド→その歴史→時間]を買い漁ってきた。かつて当方業務取引でお世話になったVOLVO社でも近年中国製となり売れるものかと危惧をしたものだ。しかしサービス面でのビジネスモデルは継承され販売実績を上げているといわれる。


ブランド力を持つ会社というのは結局「市場からの信用を裏切ると社会に叩かれる組織」なのである。成熟社会の物質的な豊かさの中で真に必要な物を選択するのは大変な事だが、中国製造元でも正規信用力を基に堂々とビジネス展開されるならば、それは購入する私達にとっても歓迎され利益に繋がることに違いない。



このカーボン素材は近年ボーイング787の高度構造体としても採用され発展進化している。その787機はカーボン前部胴体を一体成形しまるごと焼入が出来る世界唯一の大窯を川崎重工は稼働させている。モーターレースのモノコックボディにも盛んに使用されるこの素材だが、そこまでは一般ユーザーには高嶺の花だ。

しかしスポーツ・アウトドア部門では既製素材に比べ2倍もしないでカーボン製品は入手出来る。自身は20代末の骨盤骨折後遺症を治すリハビリに自転車を乗り出したのだが、始めのクロモリチューブ車の利点などは忘れてしまうほど無かった。自身のカーボンモデルも旧10年物と新1年物を所持するが、後者はより軽く丈夫にと確実進化を実感出来るものだ。

このカーボン機材を求めるなり耐久的登坂も出来るようになった。なので身体が充分動くうちにハイテク機材恩恵を受け目的成就するべきと思った。またアルミニウムの半分の軽さで鋼鉄の20倍強度にも達する進化した構造材料のカーボンナノチューブ製品も出て来るのであろう。そんな世界一のハイテク素材生産国に居る我々が使わずは勿体ない。日本のMTBユーザーも素材価値に目覚め、真のコストパフォーマンスを追求されるよう願うものである。


▼【China Carbon:USAユーザー76フォトアルバム】
USAユーザーは勇ましくスタイルオブパワーを追求している様子。



【中華カーボンフレーム参照サイト】
とある中華の炭素骨組
中華カーボンフレームを組立てた人柱様リンク集
eBay Bicycles & Framesカテゴリ
Alibaba Mountain Bike Carbonカテゴリ

【中華カーボンフレーム製造・取扱企業サイト】
CARBONAL
XPACE-Cycling
HongFu Sports Equipment CO.,LTD
FLYXI
XDS CARBON- TECH (SHENZHEN) CO.,LTD.
SUNNYSUN INTERNARIONAL LTD
Sanming Wish Trade Co., Ltd.
GOTOBIKE
Dengfu Sports Equipment Co., Limited
Greatkeenbikes



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No.461|▲○Report & PlanComment(7)Trackback

Comment

ありがとうございます!

2012/06/23(Sat)07:23

MTBフレーム裏事情、非常に勉強になりました!全く知りませんでした。

No.1|by さくらば|URLMailEdit

軽くて強い、理想的ですね

2012/06/23(Sat)18:16

On One から、やけに安い(GBP 400前後)のが出てますが、それらも中華系なんでしょうね。

それと「どう手間を重ねれば素材2kgの500倍も値付けをされるか不明の10万円以上のフレーム」あれのことですかね~。よく雑誌に出てますが、私はまったく食指が動きません。

No.2|by まつお|URLMailEdit

無題

2012/06/24(Sun)01:11

相変わらずの探究心。 頭が下がりますm(..)m

思わず、ポチッしそうになりました(爆

No.3|by クメシン|URLMailEdit

お宝にありつきませう。

2012/06/24(Sun)20:28

▲さくらばさんへ:
MTB乗りは中華系情報には無頓着な様子だよ。
売る側もブランド+カーボンだけで
イメージ戦略してるんだろうね。
構成部品が少ない乗物だから情報源がすぐに絞られるよ。

▲まつおさんへ:
お試し的でなくてきちんと選べば
ワランティ2年の優良業者もありますよ。
生産国が近いのに日本消費者が一番情報弱者に
なっている感がありますな。

▲クメシンさんへ:
よくよく研究するともうほとんどの
メジャーブランド29erカーボンモデルは
中華モデルベースですな。
自己責任で毎月ポチって豊かなサイクルライフを!

No.4|by mtrmasa|URLMailEdit

2年保証!

2012/06/25(Mon)23:28

隊長、もう少し先になると思いますが、検討してみます!
先日、29er のカーボンバイクにちょっと乗ってみたら、もう軽いの軽くないの、本当にたまげました。

No.5|by まつお|URLMailEdit

魔界へようこそ。

2012/06/26(Tue)01:33

まつおさんへ:
貴殿狙いはCarbonal 29ER GAEA Carbonだね。
これは保証もあるので最優良株だな。
http://www.carbonality.com/frames/29er-mtb/gaea.html
これがベースのブランド仕様も結構あるのだが、
もう設計もやっていない発注社もあると分かって来た。
またこそこそ情報送るだ。

No.6|by mtrmasa|URLMailEdit

カーボンホイール

2013/05/07(Tue)12:29

クイックリリスはカーボン自転車でよく見えます。私のカーボン自転車のホイールにクイックリリスをつきます。すごいと思います。カーボンホイールの自転車がいいと思います。超軽量なので、耐久性もよく、乗り心地もよい、すごいですよ。http://www.yoeleojapan.com/rims/road.html
http://japanese.alibaba.com/p-detail/%E5%A5%BD%E8%A9%95%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB38mm%E5%89%8D%E5%BE%8C%E8%BC%AA-1300000100034.html

No.7|by 52|URLMailEdit

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